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第十三話 

数秒後、私たちは唇を離した。 

「もう、私から離れないでね…。」

口から発した言葉はハヤテ君に届いたのだろうか、というほどハヤテ君は静かだった。

本当に聞いているのだろうかと疑ってしまう。 しかし、次に口を開いたのはハヤテ君だった。

「絶対にもう離したりしません。 だから、一緒にヒナ祭りに行きませんか?」

もじもじと言っている姿が女の子っぽいのは確かだった。 だけども、今はもう執事と主じゃない。

だから、一緒に行こう。

「うん!!」

力一杯頷いた私たちは手を取り合って一緒に歩いた。

その手はもう離れることはない。 大好きだから…。

その気持ちを確認して、顔をハヤテ君のほうに向けるとしっかりと微笑んでくれた。

この笑顔は誰のものでもない、私のために送られているんだと思うと、すごく嬉しかった。

 *今は7時。 私たちは人ごみに紛れお祭りを楽しんでいる。 

特に何か買うわけでもなく、歩いているだけ。 

そうしているだけでも視界すべてが宝石のように輝いていたから。

「ねぇ、少しだけのどが渇いちゃったんだけど、ハヤテ君は?」

「そうですね。 僕も少し。」

会場は3月だというのに人が多い所為か暑い。

「すみませ~ん。 お茶をいただけますか?」

僕がそういうと店から出てきたのは…桂先生だった。

「いらっしゃ~い…ってあれ? 綾崎君にヒナ?

どうしたの? もしかしてデート?」

意識はあったものの実際にそう言われると恥ずかしい。

僕たちは顔を見合わせ、頬をが赤くなっていくのがわかった。

からかうつもりだったのだけれど、僕たちの反応に気づいたようだった。

「え!? あんたたちそうだったの? そっかぁ。

いや、良かった。 良かったよ。 

お姉ちゃんね、ヒナがもしも好きな子がいないとかだったらどうしようって

心配してたのよ? だって昔が昔だけに人を好きになりたくない

とか思っているんじゃないかって。」

「お姉ちゃん…。 ありがとう。 でもね、

お姉ちゃんが言ってることは半分当たってるの。 

私ね、ハヤテ君を好きになるまでは男の子に興味がなかったの。

だけど、なんていうか。 ハヤテ君を意識し始めてから変わったの。だからね今私とっても幸せだよ。」

ヒナギクさんは実のお姉さんに最高の笑顔を送った。

「…大きくなったね、ヒナ。 やっぱりヒナはお姉ちゃんの最高の妹だわ。」

先生はヒナギクさんの頭を優しく撫でて僕たちを祝福してくれた。

「綾崎君。 ヒナのことよろしくね。 貴方ならヒナとお似合いなんだからさ。

それと、今度からは君もお姉さんと呼ぶこと。 家に帰ってまで先生は嫌だかんね。」

親指をグっと突きたて僕にサインした。

「わかりました。 ヒナギクさんの事は僕に任せてください。 お、お姉さん。」

すこし躊躇いもあったが言ってみると案外良いものだった。

雪路姉さんは僕の頭も撫でてくれた。 誰かに久しぶりにそうしてもらえて嬉しかった。

「はい。 じゃあこれお茶二つね。 どうぞ。」

それを受け取った僕たちはお店を離れてほかのお店も見ることにした。

「みてみて、あのお面可愛い~。」

「わたあめだぁ。 小さいときには食べてたなぁ。」

「金魚だわ。 よ~し、私に任せて。」

やはりお祭りというのは人を活気付けるものだ。

ヒナギクさんが楽しそうにしていると僕も嬉しい。 本当にこの人を好きになれて良かった。

「ヒナギクさん。 楽しいですか?」

ふとそんな事を聞いてみたくなったものだから、ヒナギクさんも僕のテンポに

合わせてくれた。

「うん。 とっても楽しいわ。 今生で一番素敵な誕生日だと思うの。

だって、ハヤテ君と一緒なんだもの。」

ずっと恋しかった優しい言葉をもらえた僕はいつまでも大切にしたいと思った。

その言葉も、ヒナギクさんも。 

だから心に仕舞った大切な刻を僕は絶対に守ると決めた。 

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この記事へのコメント

Re: 第十三話

こんばんは。そして、はじめまして。セカコンです。

私もハヤテのごとく!のSSを書いています。

ハヤテの一人称のSS・・・とても読みやすくなっていて、面白いと思います。
ヒナギクとのLoveSSは、やったコトがあるのですが・・・私はヒナギクの一人称でした。

誠に勝手ながらリンクをさせていただきました。私のブログはリンクフリーなので、相互リンクをお願いしたいと思います。

これから、よろしくお願いします。
SSなどなど、ぜひ読みに来てくださいね。気軽に感想や意見など書いても全然OKです。

それでは、失礼します。

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